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いとしの黄身 |
好きなおでん種は……、子供がえりだろうか |
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野迫川レポート |
無名だった村がいちやく有名になった。せきとめ湖…… |
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大盤ぶるまい |
両手に抱えきれないほどの菊の花を持って、会いにいく |
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メトレス |
私はサクラを繋いでいる鎖から手を離したくなった |
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お正月 |
延々と続いている私だけの正月行事がある |
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湖底の家 |
驚いた? 私達の家はダムの底に沈んでしまったの |
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デビュー |
念願のデビューを果たした。その日私は18歳になった |
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麗しの骨 |
真っ直ぐな背骨、まあるい頭部。まあ可愛い…… |
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忘れないでね |
今年は狂ったように椿がさいた。桃色の白色の |
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有難う |
この2週間の間に、大事な人を2人なくした |
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妙なものが |
ジャガイモに変な実がなった。ミニトマトのような |
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もう寂しくない |
バクテリアだった、藻だった、魚だった。すっかり忘れていた |
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羽虫が飛ぶから |
お母ちゃん、犬の鼻がぬれてるよ、風邪をひいているんだね |
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わたし |
私のなかには他人が住んでいる 2×世紀の医療とは |
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お迎え |
お迎え現象なるものが、取りざたされている。何をいまさら |
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奇病にかかった |
今年の夏、それは突然にやって来て、私は戸惑っている。 |
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奇病がなおった |
突然襲った奇病は、突然去った。何の前触れもなくである |
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今年の出来事 |
たった3つなのに、鮮明な記憶が思い浮かばない、困った。 |
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はしご |
欲どおしくも初詣のはしごをした。名前に惹かれて夜都技神社 |
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あびこさん |
節分に、霊験あらたかなあびこさんで厄落とし |
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心がざわつくとき |
突然にでてくるんだもんなあ……涙なしには読めないよ |
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うちの椿 |
もうちょっと椿らしく落ちられないの。椿はもののふ |
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河童 |
仄かに爽やかな香りが漂って、私は河童になった |
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残暑お見舞申し |
ビール美味しく飲めていますか? この夏きまってこう聞かれた |
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やなせたかし様 |
アンパンマンで有名になる、もっともっと昔から大好きだった |
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よいお年を |
一夜飾りは縁起が悪いと30日の夜に飾った。……のに |
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石の記憶 |
石の標本を買った。何の役にも立たないものが大好きだ |
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狐 |
狐の顔にも意地悪そうなのや、無表情なのや、美形がいて |
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流行の先端 |
といってもファッションの話ではないのです。最近、私は |
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続・親指 |
そうだ、昔、お父さんは一番偉かったんだ! 忘れていた |
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