川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||
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インターネットは賢い。 期待をせずに「じゃが芋の茎に実が」と検索をしたら、答えを教えてくれた。 地中の栄養分が足りないと、芋は子孫を残そうと地上で結実するのだそうだ。 健気である。 どうやら夫が肥料と間違えて、石灰をまいたのが原因のようだ。 根元に石灰をまき過ぎて、根が呼吸困難をおこしたのだ。 地上の実はミニトマトそっくりだ。さわると固い。 なるほどじゃが芋のルーツはナスで、トマトもナス科。先祖がえりである。 人間も歳とともに、若い頃は抑えていた本来の性格がでてくるように、本性というものは なかなかに、したたかなものである。DNAの神秘。 いくらなんでも、もう掘らなければと思うのだが、地中から連なってじゃが芋とは似ても 似つかない妙なものが出てくるのではと、怖くてなかなか茎を引き抜く勇気が でてこない。ナスの形をした紫色のじゃが芋が出てくるのではないかと。 あるいはトマトのような。 いまやじゃが芋の葉が残っているのは、我家の畝だけである。
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