川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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カンナ 狭い裏庭にひっそりとカンナが咲いていた。 この暑さに私は裏庭の手入れを怠っている。思いついたときに水やりをするくらいだ。 毎日世話をしていれば、蕾がついた、膨らんだと、カンナの変化に気づいていただろうに。 それなのに、突然咲いて私を喜ばせるんだから……。 2018年8月24日〜9月7日まで、私達は古墳に関する展示会を開いていた。 私は古墳に咲く花や草を、大きな花器にいれた。 カンナに蓮、チガヤ・エノコログサ・キバナコスモス・ヤマブドウ……。 その時のカンナの球根が、なぜか今年咲いたのだ。 4年ぶりにである。 コロナ感染のことなど知らず、大きな声で話し笑いあった日々。あの時のカンナの子供が 4年後の8月26日に咲いている。 自然界ってすごいな、神秘だなと、私は炎のような花から目が離せない。 なんだかいい事が起きる印だろうか。 きっとそうだ! カンナが私にエールを送ってくれているんだ。 子供の頃は見向きもしなかった花なのに、歳と共にだんだんカンナが好きになってゆく。
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