川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                  メダカ



   「GO! KOFUN 世界遺産へ」の作品展で、メダカにも参加してもらっている。
   メダカは3匹、1センチにも満たない赤ちゃんメダカだ。
   野の花の下方に置いた、小さな容器で泳いでいる。
   透明な容器の中で、3匹は水面近くで泳いだり、藻の陰に隠れたり、底に沈んだりと元気だ。
   3匹はお客さんたちの人気者だ。

   子供の頃、大和川でメダカをとった。
   タオルの両端を2人で持ち、水にくぐらせ、下流から上流に向かって歩くと、
   タオルの中にはメダカが一杯はねていた。
   なのに、今や絶滅危惧種らしい。だが、古墳の濠にもわずかに生存している。
   郷愁を感じてもらえたらと思って、メダカを泳がせたのだが……。
   
   あ〜あ
   私は大事なことを忘れていた。
   水の替えをどうするのだ?
   会期が夏で、しかも2週間。メダカの容器は小さい上に、赤ちゃんである。
   生き物を飼うのだ、その責任はどうするのだ!
   面白い事としんどさはセットだということを、すっかり忘れていた。

   で、結果はどうなったかって?
   仲間たちが交代でメダカの世話をしてくれている。
   そのうちに情が移って、家で飼う人が出てくるかもしれない。
   昔のように、メダカが増えると嬉しいな。

   たかがメダカ、されど、されどメダカである。


                    2018.8.29