川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                    ショック!!



    ショック、ショック、大ショックである。
    この手の失敗は初めてだ。

    その日私は眼科の診察のために、大阪公立大学医学部附属病院に向かった。
    黄斑変性症である。
    予約は1時半、1時には病院に着いた。
    診察券を機械に入れるが、なぜか上手くいかないので、直接眼科の受付に行った。
    「あれっ、診察日を間違えておられますね。先週ですよ」
    エッと言ったきり、言葉が出ない。
    言葉の出ない私を気の毒に思ったのか、受付の女性は診察を受けられるかどうか聞いてみます、
    と言ってくれた。
    眼科の込みようはいつものことながら、患者でいっぱいだ。
    どうやら私は最後に回されるものの、診察は受けられるそうだ、
    
    待って、待って、待って、
    ようやく診察が終わったのは、なんと夜の7時である。
    会計などの機能はすべて終了である。会計は地下の臨時の窓口で支払う。
    人気の絶えた病院はなんだか不気味な雰囲気が漂っている。
    急に無機質な場所になってしまうのだ。人々の気配さえ残っていない。

    地下の出口から外に出ると、ネオンが光っていた。

    ネオン大好き人間の私なのに、
    長時間、椅子に座り続けた疲れのうえに、約束を間違えるという初めての失敗に足取りは
    重い。これが歳をとるということだろうか……。敵は、なかなか手ごわいな。
    
    
                   2026.3.20