川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                大きくなったねえ



    「おおきくなったねえ」、甕を抱え込むように覗き込み、私は声をかける。
    1昨年の夏は糸くずのようだったメダカが、3〜4センチにも成長している。
 
    甕の主の金魚は10pほどの大きさだが、これも1センチぐらいの赤ちゃん金魚から育てた。
    2匹の金魚と2匹のメダカは、上手に済み分けている。
    金魚は甕の下方、メダカは水面近くというふうに。

    当初、メダカは3匹いたのだが大雨の日、甕から流れ出てしまった。
    幸い家の近くには水路が流れている。
    今頃は大和川で家族を作って泳いでいると信じている。

    金魚が眠るのを初めて見た。
    もっとも目を見て確かめたわけではないが。
    2匹は体を寄せ合い心持ち斜めにし、甕の底で微塵も動かない。
    軽く甕の側面を叩いても動かない。
    ひょっとして、死んだのかな?と心配になり重い甕を揺さぶった。
    びっくりしたように金魚は泳いだ。
    ああ、よかったあ。

       PS  夏の暑い盛り、メダカの世話をしてくださった皆様、あの日のメダカはこんなに
           大きくなりました!      メダカ      メダカ2



                      2020.4.19