川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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               もう2月



    今年は老人会から節分の寿司が配られるそうだと、
    回覧板を読んでいた夫が言った。
    夫は頼まれて老人会に入会しているが、私は会員ではない。
    と言うことは、丸かぶりの寿司は1本だろうな。
    節分には私の分を買おうか、それとも半分こにしようか。
    
    それにしても、もうそんな時期か……
    毎年毎年、同じことが繰り返されて、いや毎日毎日同じことの繰り返しで、と少し虚無的な
    気分が頭をよぎった。
    すると、もう1人の私が、「そんな勿体ない事を。同じことが繰り返せるってことは
    生きてるって事。有難いことやよ」と、日めくりに書かれた金言のようなことを言う。
    「分かってるわよ、そんな事!」

         私がむなしく生きた今日は 昨日あなたが切実に生きたいと願った 今日
                      (作者は知りませんが、心に残っている一文です)


    過去の節分はどんなだったかと、「話のポケット」を読み返してみる。
    43歳だった息子は今年48歳である。
    あびこ観音へのご奉仕は70歳で辞退した。毎年身に着けている厄除けのお守りは、
    売る立場から買う立場になった。今年も戴きにお参りする。
    
    それにもう1つ、節分の行事が増えた。
    最寄駅から1つ向こうに葛井寺がある。
    千手観音で有名な寺である。
    護摩の炎と僧侶の読経に惹かれて、2年前からこの寺にお参りするようになった。
    家族の数だけ護摩木を買って、願い事を書き入れて護摩を焚いてもらう。
    煙のいがらっぽ匂いを、全身に浴びるのが好きである。
    穢れが消える気がするのだ。
    
    開運・厄除け。葛井寺と安孫子さん、まことに欲どおしい事である。
    今年はマスクの行列だろうな。
    
    5年前と去年の節分の様子です。物事は移り変わりますね。
       あびこさん      東北東
    
     
                   2020.2.1