川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                 うきうき わくわく         



     我が家に一足はやいクリスマスと新年がやってきて、うきうきわくわくの
     日々を過ごしている。
     世間は年末で何かと気ぜわしいと言うのに……
     年賀はがきもまだ書いていないというのに……

     まずクリスマスプレゼントのシュトーレンが、カードと一緒に届いた。
     シナモン風味の白い砂糖を纏ったお菓子は、大きくずっしりと思い。
     シュトーレンは、毎日少しづつ切り分けてクリスマスを待つお菓子である。
     ドイツ生まれだそうだが、なんて素敵な風習だろう。
     ウキウキと私はお菓子にナイフを入れる。

     嬉しいことは続くようだ。今日は大安だろうか。
     シュトーレンを食べていると、友人が来年の干支の置物を持ってきてくれた。
     布で作ったネズミの飾り物だ。可愛い細工に魅入ってしまう。
     「うきうきわくわく」は止まらない。

     その日の夕刻、チャイムが鳴った。
     別の友人が、新年を祝う色紙を持ってきてくれた。
     「笑門福来」の独創的な文字に、ねずみが描かれている。
     やっぱり今日は大安だと思って暦を見たら、友引だった。
     ウキウキワクワクは最高潮に達した。
    
     幸せな気分の私は、箪笥に大事にしまっておいた気に入りのビーズの小さな入れ物を
     取り出した。そして補聴器を入れた。
     補聴器は急にお洒落な小物に変身した。
     
     

     
                     2019.12.18