川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||
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エッセー | 旅 | たわごと | 雑感 | 出版紹介 |
遅まきながら 暑中お見舞い申し上げます 十津川警部 酷暑の上に、なかなか体調が安定せず、冬眠ならぬ夏眠状態である。 病院通いと、新聞のテレビ欄をチェックするぐらいが、日々のやるべきことだ。 気に入った番組を録画し、眠れない深夜に1人、こそこそと録画を再生する。 ささやかな、ささやかな楽しみ。 8月1日。 この日は好みの洋画がない。残念!と、番組表を右にずらしていくと、なになに!! 十津川警部シリーズ、「南紀白浜殺人ルート〜特急くろしお9号に仕掛けられた卑劣なワナ」 とあるではないか。 「特急くろしお」だと! 乗り鉄の私にはたまらない番組だ。 最後にくろしおに乗ったのは何年前だろう、南紀へも長い間ごぶさただ。 西村京太郎さんの推理小説シリーズらしい。 和歌山城、白浜の円月島、三段壁、串本の橋杭岩、海中公園、本州最南端の潮岬灯台……。 和歌山が満載だ。 お約束の殺人もすみ、ドラマは中盤にさしかかっている。 「えっ! ここ王寺駅やんか。渡瀬恒彦が王寺駅のホームに立ってる!」 私は深夜のテレビに向かって、興奮気味に話しかける。 渡瀬恒彦演じる十津川警部はJR和歌山線に乗車するが、なぜかすぐに降りてしまう。 そして元の王寺駅方向に戻るのだ。 ここからアリバイ崩しが始まる。 「やあ、こんどは天王寺駅やんか、知ってる駅ばかりででてきて嬉しいなあ」 またも私の合いの手だ。 十津川警部は、天王寺からJR阪和線の「特急くろしお」で和歌山へ向かう。 アリバイは崩れた。JR和歌山線だと2時間30分もかかるが、JR阪和線だと 和歌山までは1時間と少々である。その時間差を使っての殺人。 松本清張さんもびっくりである。 ちなみにこのコースは大回りが楽しめる。 柏原 → 王寺 → JR和歌山線で和歌山 → JR阪和線で天王寺 → 柏原以外の駅 最後の映像は、高台に建つ串本のロイヤルホテルからの眺めだ。 どこまでも広がる海、プラチナのように輝く波頭……。 南紀の旅を追体験できた素敵な夜だったが、寝ている子を起こされた夜でもあった。 2025.8.1 ご心配をおかけしました。ゆるゆるとですが話のポケットをアップ出来ればと 思っています。これからもよろしくお願い致します。 |