川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                   ジュエリートマト



    珍しいトマトを貰った。それがなんとも美しいのだ。
    その名もジュエリートマト。
    食レポの彦摩呂さんならきっとこう言うに違いない。
    「わあ、トマトの宝石箱や!」

    ブラックジュエル ピンクジュエル グリーンジュエル レモングミジュエル 
    イエロージュエル オレンジジュエル レッドジュエル
    色とりどり、鮮やかだ。
    グリーンジュエルなどは、マスカットの味がするのではないかと思ってしまった。
    深い紫色のブラックジュエルは、アントシアニンが豊富だとか。まるでサプリメントだ。
    赤、黄、緑、紫、まさにビタミンカラー。甘くて美味しいのはいうまでもない。


    むかし むかし 叔母はトマトに砂糖をつけて、幸せそうに食べていた。
    それは決して珍しいことではなく、そうして食べる人も多かった。
    砂糖派と塩派に分かれていて、トマトは果物扱いだったのだ。
    
    だが、私はどちらでもなく、青臭いトマトは苦手だった。
    トマトやピーマン、春菊や生姜……、それらが食べられる頃、気がつけば大人になっていた。

    
2023.6.4