川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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ジュエリートマト 珍しいトマトを貰った。それがなんとも美しいのだ。 その名もジュエリートマト。 食レポの彦摩呂さんならきっとこう言うに違いない。 「わあ、トマトの宝石箱や!」 ブラックジュエル ピンクジュエル グリーンジュエル レモングミジュエル イエロージュエル オレンジジュエル レッドジュエル 色とりどり、鮮やかだ。 グリーンジュエルなどは、マスカットの味がするのではないかと思ってしまった。 深い紫色のブラックジュエルは、アントシアニンが豊富だとか。まるでサプリメントだ。 赤、黄、緑、紫、まさにビタミンカラー。甘くて美味しいのはいうまでもない。 むかし むかし 叔母はトマトに砂糖をつけて、幸せそうに食べていた。 それは決して珍しいことではなく、そうして食べる人も多かった。 砂糖派と塩派に分かれていて、トマトは果物扱いだったのだ。 だが、私はどちらでもなく、青臭いトマトは苦手だった。 トマトやピーマン、春菊や生姜……、それらが食べられる頃、気がつけば大人になっていた。
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