川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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種団子 2 6月の中頃に植えた種団子の花が咲いた。 小さなピンク色の花だ。 たしか10種類ほどの種を泥団子にまぶしたが、プランターの中は同じ種類のものばかり が元気である。 どうやら元気な花は百日草らしい。ああ、そうだった、今はジニアというらしい。 百日草の根元や葉蔭には、ヒョロヒョロとした花苗や、コスモスの苗が遠慮ぎみに 隠れている。 千日草やマリーゴールドはどこへ行ったのか、影も形も見えない。ハゲイトウは。 「ほんまに、あんたは、がいな子やなあ」 私は大阪弁で百日草に文句を言いながらも、ピンクの小花に笑いかけている。 人間も動物も植物の世界も、強い個体が生き残るのだなと、妙なところで納得をする。 私は、迷っている。 咲いた百日草を、切り花にすべきか否か。 切って、根元のヒョロヒョロとした苗に太陽を浴びさせてやるべきか、それとも、 ありのままにしておくべきか……。 うーん、悩ましい。 それにしても、私の想像する百花繚乱とは程遠いなあ。
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