川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                  種団子 2



    6月の中頃に植えた種団子の花が咲いた。
    小さなピンク色の花だ。
    たしか10種類ほどの種を泥団子にまぶしたが、プランターの中は同じ種類のものばかり
    が元気である。
    どうやら元気な花は百日草らしい。ああ、そうだった、今はジニアというらしい。
    百日草の根元や葉蔭には、ヒョロヒョロとした花苗や、コスモスの苗が遠慮ぎみに
    隠れている。
    千日草やマリーゴールドはどこへ行ったのか、影も形も見えない。ハゲイトウは。

    「ほんまに、あんたは、がいな子やなあ」
    私は大阪弁で百日草に文句を言いながらも、ピンクの小花に笑いかけている。

    人間も動物も植物の世界も、強い個体が生き残るのだなと、妙なところで納得をする。

    私は、迷っている。
    咲いた百日草を、切り花にすべきか否か。
    切って、根元のヒョロヒョロとした苗に太陽を浴びさせてやるべきか、それとも、
    ありのままにしておくべきか……。
    うーん、悩ましい。

    それにしても、私の想像する百花繚乱とは程遠いなあ。

2024.7.23