川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                   スパティフィラムとカンナ



  朝晩が少し冷えてきたので、スパティフィラムを私の部屋に入れて
  やった。
  小さな弱々しい鉢植えだったのに、いつの間にこんなに……。

  深夜、細かい霧がかかったように、葉がしっとり濡れている。
  ああ、呼吸をしてるんだな。
  私は幸せな気持ちになる。
                 


  10月の半ばだというのに、今が真っ盛りのカンナ。
  たっぷりと水分を含んだ花弁は、ピンと先が尖がって思わず
  触れたくなる。
  真夏の太陽の下のカンナとは一味違って、違う花を見るようだ。

  「造花みたいに綺麗やね」
  あっ、失礼。その言葉、花にとっては屈辱やね。
  生きてるんだものね。
                    2018.10.16