川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                スカッシュみかん



    化粧箱入りのミカンをもらった。箱をあけてびっくり!
    黄色いピンポン玉かと思うくらいの大きさである。
    「えっ、なに、このミカン? 早摘みのミカン? それにしては色づいてる」

    スカッシュみかんというらしい。熊本産である。

    さすがに一口でというわけにはいかないが、半分、口に入れてみる。
    甘い、甘さが濃い。それにジューシーだ。
    「食べやすいなあ、何個でも食べられる。けど、皮をむくのがちょっと面倒やな。でも、
    農家さんは、どうしてこんな小さなミカンを作ろうと思ったのかな」
    あれこれうんちくを言いながら、私は1度に5つも食べた。
 
    スカッシュみかんは、静岡県や神奈川でも作られているようだ。
    
    ミカンを食べ終えたころ、今度は梨をもらった。
    鳥取県の大山町で作られた「王秋」という梨だ。
    形は楕円形をしていて、ちょっと洋ナシっぽい。ずしりと重い。
    果肉は柔らかく、水分たっぷりの品の良い旨さである。
 
    子供の頃は20世紀と長十郎しか知らなかったが、祖母が唯一好んだ果物である。
    梨を食べると、私に優しかった祖母を思い出す。
    

2024.10.22