川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||
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ご褒美かな、それとも 「わあ、ご褒美! 神様からのご褒美だ!」 私は椿が大好きだ。 狭い庭には3本の椿の木がある。鉢植えも1つ。 なのに20センチにも満たない苗木のような椿が、白い花を咲かせたのだ。 他の椿には沢山の蕾はついているものの、蕾はまだ固い。 どうして、どうして? 細いマッチ棒のような幹(?)なのに。 でも、神様からのご褒美のはずはないなあ。 夫には意地悪をしたし、知人のくどくどとした愚痴を聞くのに疲れて、電話を切るタイミング ばかり考えて、話は上の空だったし、 仲間からの相談には、ついつい本音で厳しい意見を言ってしまったし。 正しいことを言う時は、相手を傷つけやすいと知っているのに……。 じゃあ神様からのご褒美じゃなかったら、この白椿はなぜ咲いたのだろう。 ひょっとして彼女かな? 我が家の狭い庭を見たいと言っていた彼女が、白い花になって来たのかなあ? 風の強い朝、華奢な椿を私は家の中に入れてやった。
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