川上恵(沙羅けい)の芸術村 | |||||||
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石油ストーブ 「まだ、そんなストーブ使ってるん?」 台所に入るなり、弟は一世代前の遺物を見るようにいいながらも、 早々にストーブの前に座った。 「うん、エアコンでは何だか物足りない気がして。やっぱり火が見えると暖かいなあ、って」 とは言っても、北向きの私の部屋は、ほぼ一日中エアコンがついているのだが。 石油ストーブは、優れモノだ。 いっぱいの蒸気で部屋をうるおし、コトコトとおでんやシチューを煮込み、さらには 焼きいもである。 焼きたてホカホカの「紅こがね」は、ほくほくと美味しいことこの上ない。 知り合いの話だ。 石油ストーブは危ないからと、子供たちから使用を禁止されているという。 その人はしっかりされた人なのに、 老年になると、そういうことも言われるのか……寂しい話だな。 息子よ、私たちからストーブを取り上げないでくれて、有難う。 お嫁ちゃんよ、美味しいさつま芋を有難う。
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