川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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サプライズの贈り物 狭い庭に桃色、白、そして赤い椿を植えている。 桃色はシベが豊かで、花弁の内側に小さなチロチロとした花弁が付いていて華やかだ。 白は5弁の清楚な侘助だ。 赤は五島列島の艶やかなヤブ椿である。 椿は根元に種を落とし、発芽し、小さく育つ。 発芽したすべてを抜くのも可哀想で、元気そうなのを植木鉢に移してやる。 そんな植木鉢が4鉢にもなった。 家人からは、これ以上植木鉢を増やさないで、狭い庭がよけい狭くなると、 クレームがついている。 庭木に水をやっていたら、50pばかりの鉢の椿に、白い花が咲いているのにl気づいた。 よく見ると初めて見る品種だ。 「えっ、なになに? 突残変異がおこったの? この庭で?」 桃色のチロチロした花弁のついた椿が、白色に変身しているのだ。 なんと華やかにして清楚。 そうか。桃色の横に白の椿が植わっているのだ。昆虫の素敵な計らいだ。 こんな狭い庭で起こった神秘に私は見とれている。 この椿に名前をつけたいなあ……。 今度は白と赤の間から発芽した苗を植え替えてみよう。 家人からはヒンシュクを買いそうだが、植木鉢はまた増えそうだ。
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