川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                サンタの靴



    12月になるとウキウキとする。
    クリスマス、忘年会、除夜の鐘……。

    クリスマスの頃になると、今でもお菓子の入った銀色や赤色のブーツが欲しくなる。
    ブーツの中には、チョコレートやクッキー、キャンディーがいっぱい詰まっている。
    子供の頃、父がイブの夜にデコレーションケーキと一緒に買って来てくれた。
    ケーキはこってりとしたバターケーキだったが、私と弟は上に飾られたバタークリームの
    ピンクのバラを取り合った。
    ローソクに火を点け、子供用のシャンパンを飲み、どちらがローソクの火を消すかでまた
    喧嘩をする。
    弟のサンタの靴は、その日のうちに空っぽになったが、
    私のサンタの靴には、いつまでもお菓子が残っていた。
    
    クリスマスプレゼントの交換をしなくなったのは、いつの頃からだったろう。
    今年は復活させてみようかな。
    それとも、両手に抱えるくらい大きな銀色のブーツを買おうかな。

    庭の木にクリスマスのランプを吊るした。
    夜には火を灯す。




                   2019.12.4