川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                 残りの秋



    名残惜しくて、残りの秋を探しに近所を歩いてみた。
    昔からの悪い癖だ。終わる頃になるとなんだか急に気になり出すのだ。
    
    見慣れた街並み、通り慣れた道を、残りの秋を探すためだけに歩く。
    12月は晩秋だろうか、それとも初冬だろうかと考えながら。

    有りました!
    こんな近くに残りの秋・秋・秋が。落ち着いた色合いの秋が。

    少しもの悲しい景色を独り占めしている贅沢。
    なんと豊かな時間だろう。
    落葉が舞っている。
    
    もう若葉への準備を始めてるんだね。
    終わりじゃないんだね。始まりなんだね。
    また来年会えるんだね。


金宝樹(ブラシの木)
確か君は春の花じゃ
ないの?
なのに今は12月だよ
   

                        2019.12.3