川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                  黒豆を炊いている



    コロナに始まりコロナで終わった令和2年が終わろうとしている。
    例年のごとく、私は黒豆を炊いている。
    毎年同じことを繰り返せる幸せを感じながら。

    今年は世間の暗さと同じように、私の1年も重苦しいものだったが、
    陰極まって陽が復ってくる、「一陽来復」という力強い言葉を知った。 
    明日は新年。真っ新な年が始まる。
    
    部屋中に黒豆の甘い匂いが漂っている。毎年の31日の匂いだ。
    テレビからはなじみの「探偵ナイトスクープ」が流れている。

    そして24時きっかりに、一言主神社で頂いたお札を貼る。
    はてさて、私は何を1つだけ願うのだろう……。
    自分の事だろうか、それとも家族の事だろうか。
    欲深い人間はあれもこれもと迷って、1つが難しい。
    明日が始まるまでに決めておこう。
   

    今年も「話のポケット」にお付き合いくださいまして、有難うございました。
    来年もよろしくお願い致します。
    良いお年をお迎えくださいませ。


                  2020.12.31