川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                    神戸別院


    阪急神戸線の花隈駅から少し坂を上がった所に、その建物はあった。
    私が通う病院のほん近くだ。
    初めてこの建物を見た時、モスク? それとも教会だろうかと、しげしげと眺めた。
    屋根には尖塔が並び、窓の形も異国情緒たっぷりと、まるで異空間。
    正面の壁には左右に一対のレリーフが埋め込まれていた。仏像だった。観音像だろうか。

    向き合った形の像に、日本のお寺なのだと、首が痛くなるほど見上げた。
    壁の中の像は微笑んでいるようで、優美な姿だ。

    インド仏教様式の寺院は「本願寺・神戸別院」である。
    エキゾチックな雰囲気を放つ現在の建物は平成7年の建造だが、斬新なデザインは昭和5年
    の旧寺院から受け継がれているという。
    昔から港を中心に交易がなされてきた神戸。異人館が点在する神戸。
    神戸別院の建物に、流石、神戸だと感じ入った。
    別名を「モダン寺」と呼ぶらしい。

    あちらこちらの寺内町を訪ね歩いている私は、カルチャーショックである。
    次回、訪れるときは、建物の中に入らせていただこう!

    

    
                      2021.3.15