川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
エッセー  旅  たわごと    雑感 出版紹介 




               気がつけば



    気がつけばもう11月。それも11月の3分の1が過ぎている。
    どうしてこんなに早いんだ?
    
    コロナの感染者数が劇的に減り、緊急事態宣言が解除された。
    電車に乗れば一時期のように座席を独り占め状態はなくなり、つり革にぶら下がり立っている
    事も多くなった。日常が戻りつつあるのだ。
    
    電車で奈良まで出かけ、気の置けない仲間たちと会った。
    もうすぐ12月。コロナも今のところ静かな様子、みんなで会食などいかがでしょう?
    仲間の1人が提案をした。
    いいですねえ。忘年会ですね。忘年会いいですね。
    みんなは一斉に同じことを言った。そして幸せな気分になった。

    私は新年会よりも忘年会が好きだ。
    今年も1年、なんだかだとあったけれど、なんとか生きて過ごせたね。良かったね!
    病をえて病院の世話になった人、大事な人を見送った人、家族と不和になった人……。
    それでも健気に逞しく、今年を過ごせたね。良かった、良かった!!
    そんな思いを心のうちに仕舞いながら、飲みかつ食べる。
    気心の知れた仲間との忘年会ほど楽しいものはない。
    
    それが、たとえ透明なパーテーション越しであったとしても。

    そんなことを考えながら、浮かれ気分で歩いていると、駅前のビル一面に
    クリスマスの電飾が光っていた。
    そうだ12月はXmasもある!
    クリスマスに忘年会、そしてそれがすめばお正月。
    なんだか今年の12月は楽しそうだ!
    
    どうかこのままコロナの感染症が収まりますように。

 
                   2021.11.10