川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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       香りの正体       2019.11.27

 庭先から甘い香りが流れてくる。
 ああ、もうそんな季節なんだ……。

 鬼門に柊を植えている。
 椿やカイヅカイブキの陰に隠れて普段は見えないのに、ある日
 突然にその  存在を知らせる。
 たしかこんな香りの香水があったはずだ。
 なんという名前だったか。
 せっかくだから一枝頂戴ねと、小枝に手をかけたとたん、
 あっ、痛い! 鋭い葉先にチクリとやられてしまった。

 まだまだ元気なんだね。年を重ねると葉先が丸くなると言う
 から。いつまでも尖っているのは誰に似たんだろうかね。

 木へんに冬と書いて柊。冬を代表する木なのかな。
 椿・榎・楸(ひさぎ)・柊 だもの。 
 もうすぐクリスマス、出番だね。