川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                 家で駅弁



    鉄道大好き人間の私にとって、自由に列車に乗れないのは辛い。
    気分転換をしたいとき、ふらりと1人で乗る列車は、至福の空間と時間を与えてくれる。
    今の時期なら、雪を被った伊吹山や比良山系を眺めながらの琵琶湖一周が最高だ。
    米原駅で買った駅弁の牛肉弁当とビールを、余呉辺りで開けるのも楽しみだ。
    列車の中で飲食するのは、どうしてあんなに美味しいのだろう……。
    ゆるやかな振動に身をおき、流れる風景を眺めながら、日常を忘れる。

    ああ、ゆっくりと列車に乗りたい。駅弁が食べたい。
    と思っていたら、岡山県の「お祭り弁当」と若狭の「焼き鯖すし」が、生協の注文カタログに
    載っている。
    お祭り弁当は新幹線の中で食べたなあ、懐かしいなあ。鯖すしも大好きだ。
    さっそく注文をした。

    おかずと岡山名物の「祭りずし」を組み合わせた2段重ねのお弁当は、色合いも美しい。
    「空弁」で、羽田空港5年連続売り上げ日本一の、「焼き鯖すし」は流石の美味しさだ。
    昼食に食べたが、駅弁にビールは欠かせないでしょと、缶ビールのタブを引いた。
    ほんの少し、非日常が味わえた。




                2021.1.29