川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                    豊作だ!



     大きな段ボール箱いっぱいのタマネギを収穫した。

     「えっ、なんで? タマネギなんて植えておけばいいだけなのに」
     と、毎年毎年首を傾げられてきたタマネギである。
     小粒で、腐りかけているのがあったりと、なぜか上手く育たない。貧相なのだ。
     相性が悪いのだろうと思うことにしていた。
     ところがである、
     今年のは張りがあってまるまるとしている。見るからに瑞々しそうだ。
     それにその大きい事。赤ちゃんの頭ぐらいのもある。
     農園中で一番の出来だと、畑の先輩から褒められたと夫は嬉しそうだ。

     さっそくお裾分けをし、あとは風通しのよい所に吊るした。

     その夜はオニオンスープにした。
     次の日はオニオンサラダと肉じゃが。変な取り合わせだなあ。
     そして今夜はタマネギの天婦羅を揚げよう。
     そうだ、これも大豊作だったエンドウ豆も天婦羅にしよう。
     エンドウ豆は私の好きな食べ物ベストスリーに入る。
     豆だらけのエンドウご飯、卵とじ、甘煮……、贅沢に贅沢に食べた。
     そして未練っぽく、少しだけ冷凍保存をした。
     今夜はそれでエンドウ豆の天婦羅だ。

     畑のお陰である。小声で、夫のお陰である。
     道の駅通いはしばらくお休みだ。
     
この大きさ!
悪戯をして私の
サングラスを掛けて
みた。

 2022.5.22