川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                   初氷



    「わあ、氷が張ってる!」
    二階のベランダに置いた蓮の鉢の1つに、氷が張っていた。
    薄い薄い氷に、冬の青空が映っている。
    「綺麗やなあ」、氷を割らないようにそっとつついてみた。
    指先に子供の頃の冬が蘇った。

    蓮の鉢は6鉢ある。それぞれを丁寧に眺めてみる、不思議なことに透明な水の鉢と、少し
    濁った水の鉢がある。この差はなんだろう?
    元気に呼吸している蓮は水が澄むのだろうか。
    それにしても透き通った水だ。これなら極楽から地獄が見えるはずだと納得をする。


    昨日は初雪が降ったらしい。
    テレビを見ていて気付かず、残念な思いをしたが、まあ、いいか。初氷に触れたのだから。
    たぶん誰も氷など無頓着なはず。ちょっと得をした気分だ。
    
    何事によらず、「初」は心ときめくものだ。
    あと2日で新しい年が始まる。
    頑張って初日の出を見ようかな。


                         2018.12.30