川上恵(沙羅けい)の芸術村 | |||||||
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エッセー | 旅 | たわごと | 雑感 | 出版紹介 | |||
恵比寿さまになった気分 息子夫婦から、大きな、いきのいい鯛をもらった。 去年、小さな鯛を貰ったのだが、あまり私がそれを気に入ったものだから、今年は大きなのを くれたのだ。 小さな鯛はお腹を押すと、ピーピーと鳴いた。 私は退屈をすると、鯛のお腹を押しピーピーと音を鳴らして遊んだ。 そんなことをしている自分が可笑しくて、笑いがこみあげてくる。 「お母ちゃん、えらい気に入ったみたいやな」 と、今年は大きなのになった次第だ。 今年の鯛は、お腹をおすと跳ね回るのである。 それはもう勢いよく、ピョンピョンと畳の上を跳ね回る。 何を隠そう、ワンちゃんの玩具である。 玩具の手触りは滑らかだ。 お腹のスイッチを押すと、鯛は腕の中でピチピチとはねる。 私は犬並みか、とまた笑えて来るのである。 但しこの遊びは、他人様のいないときに限る。
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