川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                第六感



   生物として原始的な部分が残っているのか、割合に第6感が働く。
   若い頃はそれなりに、霊感めいたものもあった。
   人間としての進化が遅いのかもしれない。
   だが、その類の事を家族以外に話したことはない。変におもわれること間違いなしだから。

   原則として、自分以外の事は書かないようにしている。
   (1、2の例外はあるが)
   それが何故か10日ほど前に、「尊敬する」と、無断で人様の事を書いた。
   どうしても書きたくなったのだ。
   なぜだろう? なぜ書きたくなったんだろう?
   
   彼女は約束を違えない人だ。
   それがある集まりに、断りもなく姿を見せなかった。
   私はいやな胸騒ぎを覚えた。

   やはり、彼女は入院をしていた。
   連絡も出来ないほど急を要した入院だったのだ。
   きっと、私が彼女の事を書きたいと思った日に入院したのかも知れない。
   なぜか無性に、彼女が思われる日だったから……。
   
   視覚や聴覚は駄目になるのに、第6感は健在なようだ。


                   2018.10.23