川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||
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チョコレート バレンタインである。 それにしても配る(えっ配るって?そんな味気のない)チョコレートの数、 ずいぶん減ったなあ。 あの人にはこのチョコ、この人にはそのチョコと、昔は選ぶ楽しさがあったのに、 彼らはさっさと遠くの世界へ行ってしまった。 今や息子と夫と弟と、2、3人だけという寂しさである。 それもカタログでの申し込みという手抜きだ。 夫などは箱入りでなく大袋に詰まった〇〇チョコだ。 「ありがとう」と、それでも夫は嬉しそうだ。もちろん私も食べる。 流石にお嫁チャンからもらったチョコレートはお洒落だ。 シックな手提げの紙袋に、紺色のリボンのかかった箱が入っている。 さっそく箱を開け、これとこれとこれは私が食べたいと、宣言する。 医者から糖質を制限されているにも関わらず、夫のチョコをわが物のように欲張っている。 世間では、 夫が貰った義理チョコのほとんどは、妻が食べているに違いないと私は思っている。
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