川上恵(沙羅けい)の芸術村
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                  はびきのバラ園



    バラ展が開かれていると知り、はびきのバラ園を訪れた。
    人家から離れた辺鄙な場所を想像していたが、最寄駅から徒歩5分、なんと住宅街の
    中の可愛いバラ園である。
    バラ園が近づくにつれ、甘い香りが次第に濃くなってくる。
    白い柵で囲まれた中にバラ園は広がっているようだ。風見鶏が柵の上からのぞいている。
    
    Come In OPEN

     お洒落な案内板にいざなわれ足を踏み入れる。バラの香りが一層濃厚になった。
    目が点になる。そこはまるで夢の世界。
    白いバラの棚や、ピンクのアーチ、私の好きなブルーグレーのバラもある。
    棚の下には椅子が置かれていて、私は一日中でも座っていたい気分だ。
    ボレロ・マンマミーア・ミルフィーユ・ホットチョコレート・フロンティア……
    なんと92品種もの花が咲いているという。

    バラ園の女性の主は、白い大輪のバラを一輪、私の鼻先に近づけた。
    「バラの中で一番香りの強い花で、ボレロと言います」
    私は香りをかぎながら、なるほどと、ボレロの独特の旋律を思い出していた。
    
    なによりそのクオリティーの高さに、私は感嘆しきりである。
    バラ園は、花の美しい数日のみの開催だそうだ。
             (羽曳野市恵我ノ荘1丁目12−13)

            
2024.5.10