| 川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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| エッセー | 旅 | たわごと | 雑感 | 出版紹介 | ||||
赤い実 南天に千両、万両。 花の少ない冬の庭に、赤い小さな実はくっきりと可憐である。 表の玄関わきに植えたはずのない千両が、赤い実をつけて楚々とした風情である。 私はしゃがみこんで、千両に話しかける。 「可愛いね。まるでルビーかサンゴみたいやね」 小鳥からの贈り物だ。そう言えば万両も小鳥からのプレゼントだった。 裏庭から隣家の見事な南天が見える。 私は毎朝カーテンを開くたび、その南天に見入っている。 野生化したような南天は、枝が折れそうなほど実をつけ、朝の光を浴びている。 風が吹こうものなら枝は、ゆっさ、ゆっさと、揺れる。 重くて折れそうな枝は、何本もある。 照葉と言う言葉は聞いたことがあるが、赤い実は太陽の光にピカピカと照り映えている。 私は密かに思っている。 もし、あの枝が折れたら、お願いをして頂きたいなあ……。 大きな瓶にたわわな実の南天を無造作に入れたいなあ……。 そんなことを思っていたら裏の人が悩ましそうに言った。 実が落ちて、下のコンクリートに点々と血のような赤い染みをつけて、掃除が大変なのよ。
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