川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                    6月の庭



    雨のせいだろうか、我が家の庭は青色の花ばかりになった。
    それにしても今年の桔梗は圧巻だ。
    なんと花冠の大きいこと。10センチ近くもある。
    雨に濡れた花弁からは青色の滴がこぼれそうだ。紙風船のようにまあるく膨らんだ蕾も
    可憐だ。
    しかし儚げな見かけとは違い、花弁の先をピンと伸ばし、何日も咲き続けるのは頼もしい。

    いつまでも咲かぬなら、ちょんぎるぞ! 
    と脅したのが功を奏したのか、昨年から少し花をつけだした紫陽花だが、今年は花の数が
    多い。それも八重の花弁なので、清楚にして華やかである。
    なにより、私好みの色なのが嬉しい。
    近頃は真っ赤な紫陽花も見かけるが、変な所に頑固な私は、やっぱり紫陽花は寒色
    でしょうと、その寂しい色に心を寄せる。

    セージの深い青もたまらない。花が揺れると香りも揺れて、梅雨空に一服の清涼剤。

    青色ではないけれど、
    5月の末に咲いた観音竹は日々色が変わり、興味津々だ。
    ピンクの珊瑚のようだった花は、赤っぽくなり黄金色になり、現在は緑色だ。
    最後は何色になるのだろう、楽しみである。
    吉兆の印だと言われているけれど、どんな良いことがやって来るのかな。
    狭い庭から目が離せない。




                    2023.6.23