川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||
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2024年 新年おめでとうございます。 本年も話のポケットに、よろしくお付き合いくださいませ。 肌が弱いので入浴剤は必需品だ。 粉末状のもの、タブレット状のもの、液体、そしてハーブの生葉や大根の干葉、 それらを時々に使い分けている。 いま我が家の畑では葉を茂らせた大根が、畝にぎっしりと並んでいる。 艶やかで柔らかな葉を料理に使えばいいのだが、そうそう大根の葉ばかりを食べる のは御免こうむりたい。 そこで入浴剤としてのお出ましである。 日当たりのよい二階の南向きのベランダに、大根の葉を干している。 洗濯ものの横に吊り下げた葉がずらりと並んでいる。 カラカラに乾燥させた干葉には、 新陳代謝を高め体を芯から温め、冷え性や血行促進に効果があるそうだ。 今日は1月7日。七草粥を食べる日だ。 私は白い木綿の袋に干葉を入れ、お風呂に浮かべる。 プカリプカリと袋は浮かび、微かな大根の匂いが漂う。 私は鍋の中で大根と一緒に揺らめいている気分だ。 せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。 すずしろは大根のことである。 粥は焚かなかったが、風呂で大根のエキスを充分にまとうことにしよう。
2024.1.7 |