川上恵(沙羅けい)の芸術村
 話のポケット
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                      2022年


    新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。


    元旦。いつものように叡福寺に初詣である。
    叡福寺には母のお墓があり、新年のお参りもする。新年の墓地はどこも綺麗に掃除がされ
    花立の供花も瑞々しく、霊園は清々しい。
    お墓参りのあとは境内で焚火を囲み甘酒を頂く。
    焚火のいがらい匂いは、郷愁を呼び起こす。子供の頃を、生まれ育った三宅町を……。
    こうして私の2022年、令和4年は始まるのである。
    
    2日。息子夫婦が年賀に訪れる。この日は私が串揚げ屋の小母さんになる日だ。
    といっても、専門店から、あとは揚げるだけという商品を取り寄せなので、ただただ揚げる
    のみである。とはいえ大人4人分を揚げるのは、一仕事だ。
    私はビールを飲みながら台所で黙々と揚げ続ける。
    息子と嫁と夫は食べ続ける。
    「母してるなあ」と、自己満足をしたいために、私は串揚げを揚げるのかも知れない。
    こうして2日は無事に終わる。

    3日。いい天気だ。近間の達磨寺まで車を走らせる。
    お目当ての「木造聖徳太子坐像」は、美術館に展示中だとかで、拝観出来なかったのは
    残念だが、普段は閉じられている方丈の扉が開けられていた。有形文化財である。
    太子縁の寺らしく、部屋の中には太子の屏風が立てられ、
    広い濡れ縁には、暖かな日差しが降り注いでいる。
    太子の愛犬「雪丸」で親しまれている達磨寺には、愛犬連れの参拝者が多かった。
    
    例年通りを続けられる幸せを喜びながら、私の三が日はつつがなく終わった。
    
    

            ※ 本堂に展示された虎の屏風

              2022.1.3