川上恵(沙羅けい)の芸術村 | ||||||||
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くらはしじま遣唐使船まつり 酷暑の7月20・21日、広島県呉市の倉橋島へ行ってきた。 名前も知らなかった土地を、ひょんなキッカケで訪ねることの不思議、面白さ。 紙芝居「とべとべルカ・いのまなりものがたり」を紹介のためである。 広島駅からJRで呉駅へ、呉からはバスで1時間20分の距離に、船造りの島、倉橋島はある。 瀬戸内のこの島で遣唐使船は造られたという。 長門の造船歴史館には、復元された遣唐使船が展示され、当時を偲ばせる。 眼前には瀬戸内海が広がり、点在する島々が美しい。 倉橋島は「風待ちの島」 「潮待ちの島」である。 遠く新羅や唐へ向かう船が、この地に寄港し、船出に適した風と潮の流れを待ったという。 なんとも美しくロマンティックな響である。 きっとこの島は母のように、異国へ向かう人々を優しく包み込んだに違いない。 到着そうそう私達は、万葉時代もどきの衣装に着替え、セレモニー開始を告げる松明の点灯式に参加する。 砂浜や松林に点々とろうそくの光がともり、波の音も聞こえ、幻想的な宵である。 その夜は、食べきれないほどの海の幸を肴に、乾杯・乾杯・乾杯……で夜はふけた。 翌21日は炎天下を、これまた古代衣装もどきをつけてのパレード。 暑さをものともせず、友人は満面に笑みをたたえ、新聞に大きく紹介されていた。 かく言う私はダウンして、ひとり涼しい部屋での留守番となりました。
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